百燈塾夏期特別コース「10日間で数Ⅲをゼロから全部習得する」を終えて~その1~

百燈塾塾長の長谷川です。

今年の百燈塾の夏期講習では、「10日間で数Ⅲの極限・微分・積分をゼロからすべて学ぶ」というコースを実施しました。

高校数学の中でも、数Ⅲは圧倒的に重く、難しい分野です。

通常であれば、ゼロから始めた数Ⅲをわずか10日間で、しかも単に教科書を一通り終えるのではなく、大学受験のベースとなるところまで持っていくというのは、かなり無茶な計画です。

それでもこのコースを実施できるのは、百燈塾のオリジナル教材である「数学リニア」があるからです。

今回のコースには、高校1年生から高校3年生、そして高卒生まで、約20名の生徒が参加してくれました。

数Ⅲを始める前に固めておくべき最重要単元!

特に高校1・2年生が数Ⅲを先取りするときに、絶対に忘れてはいけないことがあります。

それは、

数Ⅲを勉強したいからといって、数Ⅲだけ勉強すればいいわけではない。

ということです。

数Ⅲに入るためには、数学ⅡBまでの土台が必要です。

その中でも特に重要なのが、

「数列」「三角関数」「指数・対数」

の3分野です。

数Ⅲでは、これらの知識を「知っている」という程度では足りません。

基本的な式変形や計算であれば、ほとんど立ち止まることなく、スラスラできるくらいになっている必要があります。

そこで今回、コース初日に全員に「数Ⅲ準備テスト」を実施しました。

内容は、数列・三角関数・指数対数を中心とした基礎計算です。

決して難しい問題を出したわけではありません。

ほとんどが教科書レベルの基本的な計算問題です。

ところが結果は、

約20名の参加者のうち、19名が不合格。

予想していたことではありましたが、改めて数Ⅲを学ぶ前段階の基礎に大きな課題があることがわかりました。
これが意味することは、

数Ⅲを学ぼうとするほとんどの高校生が、数Ⅲに入るための準備ができていないで学習を進めてしまっていることです。

だから皆「数Ⅲが苦手」だったり「数Ⅲは難しい」、「数Ⅲでつまずく」ことになるのです。

そこで、次の授業までに徹底的に復習するよう伝えました。

正直なところ、最初はこの状態から本当に10日間で数Ⅲを進められるのか、かなり心配なスタートでした。

しかし、次の授業で追試を行ってみると状況は大きく変わりました。

生徒たちはしっかり復習してきたようで、ほとんどの生徒が基礎計算をクリアできる状態になっていました。

こうした下準備をちゃんとやってから数Ⅲに入る。

ここは非常に重要です。

数Ⅲで「一歩進むたびにつまずく人」にならないために

数Ⅲを習得したいのであれば、その前に、数列・三角関数・指数対数を徹底的に練習する必要があります。

ここを疎かにしたまま数Ⅲへ進むとどうなるか。

数Ⅲそのものの考え方が理解できない以前に、途中に出てくる数ⅡBの計算でいちいち止まります。

それはまるで、

一歩歩くたびに、足元の小石につまずき続けるようなものです。

三角関数の極限の公式は理解できた。

でも、三角関数の式変形で止まる。

微分の計算はわかった。

でも、指数対数の計算で止まる。

積分の公式は覚えた。

でも、数列の漸化式の解き方を忘れて先に進めない。

これでは数Ⅲの勉強に集中することができません。

だからこそ、「早く数Ⅲをやりたい」と思っている人ほど、焦って数Ⅲへ入るのではなく、その前提となる数学ⅡBの計算力を徹底的に鍛えておくことが大切なのです。

数学リニア8冊で、数Ⅲの極限・微分・積分を完成させる

準備テストと追試を経て、第2日目以降はいよいよ数Ⅲの極限から学習を開始しました。

今回使用したのは、百燈塾のオリジナル教材「数学リニア」です。

数Ⅲでは、

極限 2冊
微分 3冊
積分 3冊

合計8冊の数学リニアを使用します。

1冊1冊は薄い教材です。

そのため、「数Ⅲを全部やる」と聞けば途方もない量に感じますが、

「この8冊を順番に徹底的に完成させればいい」

と考えれば、やるべきことは非常に明確になります。

百燈塾が考える「数Ⅲを終える」というのは、単に教科書レベルの内容を一通り教え終わる、という意味ではありません。

目標は、大学受験数学のベースとなる実践的学力まで一気に作ってしまうことです。

数学リニアの数Ⅲは、教科書よりも簡単な「ゼロ」のレベルから始まります。

そこから超スモールステップで一つずつ練習を重ね、最終的には難関大学の数Ⅲにもアプローチできるところまで段階的に引き上げていきます。

数学ⅠAⅡBは文系・理系を問わず多くの高校生が学習しますが、数Ⅲは基本的に理系の大学受験生が学ぶ分野です。

だからこそ数Ⅲの数学リニアは、「大学受験で数Ⅲを使う」ことをより強く意識した設計になっています。

8冊を高い完成度で習得することができれば、その時点で多くの大学の入試問題にアプローチできるだけの基礎は整います。

もちろん、数学リニアを終えただけで、いきなり入試本番で時間内に高得点が取れるわけではありません。

その後には、実際の入試問題を使った実践演習が必要です。

しかし、

「あとは実践演習を重ねればいい」

というところまで、数Ⅲの土台を一気に作ることができます。

だからこのコースは、高校1・2年生が数Ⅲを一気に先取りするためだけのものではありません。

数学の勉強が遅れてしまった高校3年生や高卒生が、夏休みを使って一気に数Ⅲを習得し、受験までに巻き返すためのコースにもなっています。

6時間×10日間。本気で数Ⅲだけに向き合う。

今回の講習は、1日6時間×10日間。

合計60時間です。

理想的な進み方は非常にシンプルです。

授業で新しい数学リニアに取り組む。

次の授業までに、その1冊を最低3周以上、徹底的に練習して完成させる。

次の授業で小テストを受ける。

合格したら、次の数学リニアへ進む。

この繰り返しです。

これを10日間、本気でやり切れば、数Ⅲをゼロから始めても、極限・微分・積分を大学受験のベースとなるところまで持っていくことができます。

しかし、今回の講習で私たちが生徒たちに本当に身につけてもらいたかったものは、数Ⅲだけではありません。

今回授業を担当した草下と和田は、生徒たちに一つのことを繰り返し伝えました。

「この10日間を、自分のこれまでの行動を変えるきっかけにしてほしい。」

ということです。

実は、その意味で初日の準備テスト19名不合格という結果は、非常に象徴的でした。

数Ⅲのコースを行うことは、突然決まったわけではありません。

1カ月以上前から、

「数Ⅲに入るためには、数列・三角関数・指数対数ができなければならない」

「必ず復習して準備しておくように」

と伝えていました。

それでも、初日の教科書レベルの基礎計算で、ほぼ全員が合格点に届かなかった。

これは単なる数学の知識の問題ではありません。

「この日までに、ここまでできるようにしておかなければならない」

とわかっていたにもかかわらず、そこへ自分を着地させることができなかった、ということでもあります。

そしておそらく、多くの生徒がこれまでの数学の勉強でも、同じ経験を何度もしてきたのではないでしょうか。

「次の定期テストまでにここをできるようにする。」

「夏休みまでにこの問題集を終わらせる。」

「高校3年生になるまでに数学ⅡBを完成させる。」

「次こそはちゃんと復習する。」

そう思ってスタートする。

けれど、期日が来てみると、あと一歩届いていない。

「いつまでに、こうなる」と決めたところに、自分をちゃんと着地させることができない。

その経験を繰り返してきたからこそ、今この夏休みに、10日間かけて数Ⅲを一気にやらなければならない状況になっている生徒もいます。

だからこそ、今回の10日間は単なる「数Ⅲの夏期講習」では終わらせたくありませんでした。

数Ⅲを学ぶことを通して、

これまで何度も「予定通りに着地できない、習得できない」を繰り返してきた自分の行動そのものを変える。

私たちは、そんな10日間にしてほしいと考えていました。(つづく)

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